PF-JPA

九州支部設立に思う




日本弁理士政治連盟
副会長 松尾 憲一郎


1.平成17年3月の臨時総会で九州支部設立が承認された。あとは、日本弁理士会会長の招集により30名以上の九州部会会員による支部設置会議が開催され、承認されれば「九州支部」が正式に発足する。(おそらく、本稿掲載時には九州支部の発足を見ていることと確信する。)
  私が、日本弁理士会の副会長職にあった時(平成15年度)に九州支部設立の「のろし」が上り、今やっと支部設立の承認がなされたことに感無量の思いがあり、その紆余曲折を振り返ってその間に潜む問題点を指摘してみたい。

2.平成15年度の私の副会長職がまさに終末を迎えんとした平成16年3月上旬に北京において中国の専利代理人協会との交流会が開催された。その帰路に上海に立寄った朝、現佐藤会長(当時は次年度総括副会長)より朝食に誘われ、その場で「九州支部を設立しよう」との熱い思いを聞いた。
  振り返るとこの時が九州支部設立の本格的な始動のきっかけとなったと思う。1ヶ月弱の副会長職を残して何から何をどのように始めるか等を木下次期会長(当時)等と相談しながら構想を練った。

3.次年度の正副会長会(平成16年度)が発足して、本格的に九州支部設立の準備にとりかかり当時の吉田稔副会長を担当者として九州支部設立準備委員会を立上げてもらう。
  この委員会の委員長は平野一幸弁理士に決定した。
  当然に九州支部設立後の人事を見込んでの委員長選任であった。近畿支部、東海支部の慣例では、日本弁理士会の副会長経験者が初代支部長見込みの人事となっていたようだが、本会、九州部会共にあえて新進気鋭(とは言っても弁理士15年以上のベテラン)の平野弁理士を選任した。
  その後の活動の経緯は、ご承知のように平野委員長を中心に主に若手会員(30代、40代)により九州支部設立の準備が着々と進められた。平野委員長の活躍はまさに期待以上の正鵠を得た手さばきであった。
  そして、平成17年3月の臨時総会で九州支部設立の承認がなされ、同時に九州支部設立に向けた一部法規の改正も行われた。
  とにかく、現行の弁理士法関係法規には支部設立を可及的に困難とするかの如き規制が数多く散在していたが、この規制も一部改正されて残るは、九州支部設置会議の招集と会議での設立承認のみとなった。
  長い苦難の道のりであったがついにここまで到達したことに感無量の思いがある。
  同時に当時の吉田稔副会長の尽力なしには到達できなかったことを思うと感謝の念に耐えない。

4.この間には思わぬ伏兵?もあり、一時は平成17年度の九州支部設立承認も危ぶまれた。
  最大の危機は、地方会員の知財活動に九州支部が公的立場で介入する慮れを危惧した反発であった。
  再々の説得と支部設立後の信頼関係を保証することで一件落着した。しかし、この問題は支部設立に固有の問題と言うよりは、日本弁理士会の公的活動と地方会員の事務所運営活動とのコンフリクトに端を発した根の深い問題なのである。会員相互の信頼と地方会員も含めたスキルアップの努力によって地方での活発な自主活動がなされることにより解決されることかと考える。
  今後、地区部会を含めた全国支部化の流れの中で、おそらく、いづこも遭遇するハードルと考えるので今回のプロセスを試金石として全国支部化が一日も早く実現されることを祈って止まない。




以上

この記事は弁政連フォーラム第149号(平成17年4月25日)に掲載したのものです。
Copyright &;copy 2000 Political Federation of JPA, All rights reserved.
日本弁理士政治連盟 〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-4-2,弁理士会館内
E-mail: info@benseiren.gr.jp
Tel: 03-3581-1917 Fax: 03-3581-1890
更新日: