弁政連フォーラム 第286号 平成28年12月15日
平成28年11月18日に自由民主党本部にて、政務調査会「知的財産戦略調査会」が開催され、日本弁理士会から伊丹勝会長及び日本弁理士政治連盟の会長を兼務する水野勝文知財政策検討ワーキンググループ長が出席しました。
事務局長の山下貴司衆議院議員による司会進行の下、会長である保岡興治衆議院議員が挨拶を述べられ、調査会が開会しました。
保岡会長は、その挨拶中「第4次産業革命の到来に向け、今後我が国が競争優位を獲得するためには、知財戦略及び事業戦略の一体化を推し進めることが肝要である」と述べられていました。
当日の議題は、『知財戦略と事業戦略・経営戦略の一体的推進について』であり、講師のソニー株式会社執行役員コーポレートエグゼクティブである御供俊元氏(日本知的財産協会副会長)が登壇されました。
御供氏は、主として「ソニー設立時の知財戦略」、「知財戦略と事業戦略の一体化の事例」及び「Industry 4.0以降の知財戦略」に関する講演を行いました。
ソニー株式会社の前身である東京通信工業株式会社は、昭和21年という終戦の翌年に設立され、創業者の一人である井深大氏は、弁理士であったとのことです。
また、ソニー株式会社においては「知財の価値」をその基軸として「ビジネス及び技術の強化」、「コスト削減」、「Formatの提案による市場の創造」、「新規ビジネス可能性検証」及び「ライセンス活動」という観点から、特許を利活用しているとのことでした。
最後に御供氏は、東京通信工業株式会社の設立趣意書の抜粋を引用し『真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設』という会社の設立理念を述べ、それが心に残りました。
この記事は弁政連フォーラム第286号(平成28年12月15日)に掲載したのものです。
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