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会長あいさつ

会長あいさつ

日本弁理士政治連盟
会長 福田 伸一

年頭所感(令和7年1月)

明けまして、おめでとうございます。

2025年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

昨年、我国の政界においては、政治資金収支報告書不記載に関する問題が大きく取り上げられると共に、自由民主党総裁選挙から首班指名を受けて行われた衆議院選挙における自由民主党及び公明党の敗北に伴う少数与党政権発足等の話題に終始していたと感じております。知的財産についてみれば、メタバース空間等への対応に関する不正競争防止法の改正、先進国の多くにおいて採用されているコンセント制度の導入等に関する商標法の改正、経済安全保障制度における要の一つでもある特許出願の非公開制度の運用開始等、時代の流れに対応する幾つかの制度がスタートしたこともあり、前向きな一年であったと思います。

扨、本年は、昨年の年頭所感に記したイノベーションボックス(拠点)税制の運用が開始されます。昨年末に所謂パブコメがあり、省令(案)、告示(案)、ガイドライン(案)により制度の詳細が明らかになってきました。税と特許権・著作権という、これまで強く交わることが少なかった関係ではあるものの、多くの企業が有効活用でき、将来の発展に寄与するような運用がなされ、更に、特許権及び著作権の継続性に鑑みれば、時限的ではなく恒久的な制度になることを期待したいと思います。

昨年末に開催された自由民主党知的財産戦略調査会においては、検討課題の一つとして「地理的表示の保護(伝統工芸品への拡大)」が盛り込まれました。伝統工芸品GIは、主に欧州、中国といった地域で採用されているものでもあり、この制度が我が国においても採用されることにより、これまでの「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」と相まって、我国の伝統的な産業界の振興を期待することができると思います。また、工芸品には多くの発明、意匠の創作が含まれており、産業財産権の分野にも大きな影響を与えることになると思います。知的財産に関する専門家であり、特に、産業財産権の分野においては唯一無二の専門家である弁理士としては、これまでの知見を十分に生かしつつ、新たな制度に対応していく必要があると思います。

2025年、皆様が更なる飛躍を遂げる年になるべく、日本弁理士政治連盟は活動してまいります。引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。