弁政連フォーラム 第277号 平成28年3月15日
平成28年2月17日に衆議院第一議員会館にて、公明党「知的財産制度に関する議員懇話会」が開催されました。
当日は、後述する公明党の議員8人、日本弁理士会の役員8人及び日本弁理士政治連盟の役員6人が出席しました。
当日の懇話会における議題は、『(1)TPP協定の締結に向けた地方の中小企業に対する支援の取組と課題』及び『(2)外国法事務弁護士による混合法人の設立に関する問題点について』であり、日本弁理士会及び日本弁理士政治連盟から政策要望に関するヒアリングが行われました。
幹事長の江田康幸衆議院議員による司会進行の下、会長である斉藤鉄夫衆議院議員が挨拶を述べられ、懇話会が開会されました。
議題(1)に関し、日本弁理士会の伊丹勝会長は「我々は『弁理士知財キャラバン』事業を全国展開し、地域の中小企業支援を行うとともに、日本の産業発展に貢献している。また、本事業の前提となる研修の実施に伴い、これまでに数多くのコンサルティングスキルを有す弁理士を輩出してきた。なお、地方公共団体との知財支援協定については、鹿児島県及び香川県のほか、年内に広島県との締結を予定している。」旨を述べました。
議題(2)につき、伊丹会長は「現在、法務省の『外国法事務弁護士制度に係る検討会』において、職務経験要件の基準、及びその他外国法事務弁護士制度に関する課題等の検討がなされているが、混合法人の容認に伴う懸念事項として、意図しない『情報のコンタミネーション』のほか、米国資本の参入に伴うドイツにおける事例などがあり、国益の観点からそれが望ましいのか否かを慎重に検討する必要がある。」旨を述べました。
その他の問題として、日本弁理士政治連盟の杉本勝徳会長(当時)は「近時の特許出願に関し、平成14年には43万件もの国内出願があったにもかかわらず、平成26年には32万件にまで減少しており、国内のマーケットから国外にシフトしている傾向が見られる。一方、その間の弁理士数の推移は、5,121人(平成14年)から10,680人(平成26年)に倍増している。また、弁理士一人あたりの受任件数の推移は、80件(平成14年)から30件(平成26年)である。代理人手数料のダンピングを招くおそれを懸念している。」と発言しました。
外国法事務弁護士と我が国の弁護士が社員となる混合法人(いわゆるB法人)の設立に関し、種々の問題点に関する意見交換が行われ、日本弁理士会及び日本弁理士政治連盟は、混合法人が弁理士業務を行うことについて、慎重に検討するよう訴えました。
■公明党「知的財産制度に関する議員懇話会」
・会 長 斉藤 鉄夫
・副会長 魚住裕一郎 上田 勇
・幹事長 江田 康幸
・幹 事 高木美智代 谷合 正明 河野 義博
富田 茂之
■日本弁理士会
・会 長 伊丹 勝
・副会長 小島 清路 楠本 高義 岩壁 冬樹 粕川 敏夫 塩野谷英城
高橋 大典 橋本虎之助
■日本弁理士政治連盟(当時)
・会 長 杉本 勝徳
・副会長 谷山 守 水野 勝文 石川 憲 大澤 豊 坂本 智弘
公明党「知的財産制度に関する議員懇話会」
日本弁理士会及び日本弁理士政治連盟
この記事は弁政連フォーラム第277号(平成28年3月15日)に掲載したのものです。
←前のページへ戻る