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弁政連フォーラム 第277号 平成28年3月15日

自由民主党「知的財産戦略調査会(コンテンツに関する小委員会)」の開催について

平成28年2月19日に自由民主党本部にて、政務調査会「知的財産戦略調査会(コンテンツに関する小委員会)」が開催され、日本弁理士会から高橋大典副会長、香原修也執行理事、渥美元幸著作権委員会副委員長、日本弁理士政治連盟の副会長(当時)を兼務する福田伸一政務報告ワーキンググループ委員が出席しました。

小委員会事務局長の福田峰之衆議院議員による司会進行の下、小委員長である小坂憲次参議院議員が挨拶を述べられ、小委員会が開会しました。

当日の議題は「デジタル時代における著作権について(団体ヒアリング)」であり、平成27年9月2日に小委員会が策定した「中間取りまとめ」に対し、日本弁理士会としての意見を述べました。

小委員会は、我が国にとってイノベーションは国力を支える源泉であり、イノベーションを通じた新産業の創出等のためには、著作物を利用しやすい環境の整備が不可欠であると考え「(1)イノベーションの活性化に向けた仕組みの導入」、「(2)ライセンスの円滑化」及び「(3)著作物管理の共通化」に関する取組が重要であると考え、本「中間取りまとめ」を策定しました。

日本弁理士会としての意見概要を、以下に記します。

「(1)イノベーションの活性化に向けた仕組みの導入」について

  • 取りまとめの方向性に賛同する。著作物や各権利者の保護に十分な配慮をした、柔軟性のある公正利用に関する規定の導入を検討すべきである。
  • クラウドコンピューティングを利用したビジネスの展開等を阻害することがないよう、デジタル時代に適応した公正利用の在り方について検討すべきである。

「(2)ライセンスの円滑化」について

  • 取りまとめの考え方に同意する。集中管理による契約スキーム(許諾に関するワンストップサービス)によって、円滑なライセンシング体制を構築することは有用と考える。ただし、権利者と事業者のみではなくユーザにも配慮した制度設計をすべきである。
  • 現行の裁定制度について抜本的な見直しを検討すべきである。

「(3)著作物管理の共通化」について

  • 共通管理の方向性に賛同する。共通管理に向けては、出版物以外の分野においても納本制度に類した法定制度の導入を検討すべきである。
  • 著作者等のデジタルアーカイブへの協力を引き出すために、推定規定の導入を検討すべきである。具体的には、著作権法における登録と同等の推定規定の導入、後発類似著作物に対する依拠性の推定規定の導入を検討すべきである。

その後の質疑応答及び意見交換においては、「日本の知財制度は、世界最高水準のものであり、国益に資することを目的として、国際標準化(グローバルスタンダード化)を目指すべきである。」などの力強い意見が述べられ、盛会のうちに終了しました。

この記事は弁政連フォーラム第277号(平成28年3月15日)に掲載したのものです。

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