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弁政連フォーラム 第336号 令和3年4月15日

「国民民主党と無所属議員による弁理士制度改革・知的財産制度改革推進議員連盟」設立総会の開催について

令和3年3月4日に衆議院第一議員会館にて、「国民民主党と無所属議員による弁理士制度改革・知的財産制度改革推進議員連盟」設立総会が開催され、国会議員9名、特許庁5名、日本弁理士会の役員及び次年度役員5名並びに日本弁理士政治連盟の役員5名が出席しました。 議員連盟では、事務局長の浅野哲衆議院議員による司会進行の下、会長である古川元久衆議院議員のご挨拶に続き、清水善廣日本弁理士会会長と水野弁政連会長が挨拶をしました。

その後、メインテーマである弁理士制度の見直しについて須藤晃伸日本弁理士会副会長が説明しました。説明した弁理士制度の見直し項目は以下の4点で、各項目について現状分析、課題及び解決策を丁寧に説明しました。

●弁理士制度の見直しについて

(1)「農林水産知財」を弁理士業務にすること

国内だけでなく海外においても農林水産品に関する知的財産を適切に保護することが重要。
「植物の品種登録」や「地理的表示」に関する相談業務や海外出願支援業務を、弁理士を名乗って取り扱うことができる業務として弁理士法に明記する。

(2)法人名称を 「弁理士法人」 とすること

平成12年に業務の内容を端的に示すとの観点から「特許業務法人」との名称が採用されたが、近年は特許に限らず、意匠や商標等の様々な知的財産を取り扱う機会が増加しており、特許以外の業務を中心に行う弁理士もいる。
しかし、「特許業務法人」という名称のために、この法人の扱う業務が特許に関する業務のみであると誤認する者も存在しており、特許に限らない知的財産に関する専門家として弁理士が認知され、活用される機会が損なわれている。
このため、弁理士が所属する法人の名称を「特許業務法人」から「弁理士法人」に改める。

(3)「一人法人」 制度を導入すること

現行規定上、弁理士の所属する法人の設立・存続には、弁理士の社員が二人以上いることが必要とされている。
近年、法人化されていない弁理士一人の事務所において、当該弁理士の高齢化が進行している。当該弁理士が急遽業務を継続できなくなった場合、法人化されていないために当該弁理士の個人資産と事業資産が分離されていなかったり、個人契約の引継処理が必要となることから、当該事務所の事業承継が円滑に進まず、利用者の利便を損なう事例が生じている。
このような場合に事業承継を円滑に進め、ユーザーへの継続的な対応を行えるようにするため、弁理士の社員が一人のみでも法人の設立・存続を可能とする。

(4)特許権侵害訴訟等における第三者意見募集制度について相談に応ずることを弁理士業務にすること

特許法を改正して、特許権侵害訴訟において、当事者の申立てがあれば、裁判所が必要と認めるときに限り、広く一般の第三者に対して裁判に必要な事項について意見募集を行うことができ、当事者が集められた意見を証拠として活用できる制度を導入しようとしている。
そこで、「第三者意見募集制度」における相談に応じる業務を弁理士の業務として追加し、第三者の的確な意見書作成を支援できるようにする。

その後の意見交換では、議員の皆様から、10兆円規模の大学ファンドの創設のことやコロナ禍におけるワクチンに関する特許のこと、地方銀行の知的財産に関する取り組みなど様々なご質問をいただき、活発に議論しました。

弁理士法改正に関しても前向きかつ今後の参考になるご意見を多数いただき、盛況のうちに議員連盟は終了しました。 国会の会期中であるにもかかわらずこのような貴重な機会をくださった皆様に、厚く御礼申し上げます。

出席者(順不同、敬称略)

○国民民主党と無所属議員による弁理士制度改革・知的財産制度改革推進議員連盟

《会 長》 古川 元久

《幹事長》 岸本 周平

《事務局長》 浅野  哲

《顧 問》 玉木雄一郎 前原 誠司

《幹 事》 井上 一徳  高井 崇志  伊藤 孝恵  西岡 秀子

○特許庁

《総務部長》 小見山康二 《秘書課長》 池谷  巌 《制度審議室長》 猪俣 明彦

《企画調整官》 岡本 正紀 《秘書課長補佐》 田口 裕健

○日本弁理士会

《会 長》 清水 善廣 《副会長》 須藤 晃伸

《次年度会長》 杉村 純子 《次年度副会長》 市川 ルミ 《次年度副会長》 永岡 重幸

○日本弁理士政治連盟

《会 長》 水野 勝文

《筆頭副会長》 福田 伸一

《副会長》 坂本 智弘  津田  理  高橋 雅和

出席された議員の皆様

出席された議員の皆様

会場の様子

会場の様子

この記事は弁政連フォーラム第336号(令和3年4月15日)に掲載したのものです。

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