弁政連フォーラム 第355号 令和5年1月15日
日本弁理士政治連盟
会長 水野 勝文
新年を迎え、日頃より日本弁理士政治連盟の活動にご理解・ご支援を頂いている、国会議員の先生方、また弁政連会員の皆様に心より感謝申し上げます。
さて、かねてより大きく期待して参りましたイノベーションエコシステム実現に向けた具体的な政策が、予算化される等、進展しています。これらの政策は必ず日本経済の活性化に資するものと確信しております。
引き続き、イノベーションエコシステム実現を応援すべく活動して参ります。
ところで、昨年成立した経済安全保障推進法もイノベーションエコシステムに寄与するものと考えています。柱の一つに弁理士業務と関連の深い「特許出願非公開制度」があり、本年からより具体的な検討が進むものと予想しています。その原則的考え方には「イノベーションの促進との両立を図りつつ特許非公開化の措置を講じて機微な発明の流出を防止」とあります。
当然、日本弁理士会もこの検討に参加することになるでしょう。弁理士業務に大きな影響を与える可能性もあり得ます。弁政連としても、日本弁理士会の方針に沿って活動し、各方面に適切に働きかけて参ります。
一方、現状の我が国の知的財産システムとその実効性を担保してくれる司法制度が真に、イノベーションの創出とその社会への実装化の促進に役立っているのか? 日本社会の新陳代謝を促進できているのか? 社会に貢献するシステムとして機能しているのか? そして、我々弁理士はこのシステムの実効性ある運用に貢献できているのか?といった問いについては、これからも考え続けるべきだと思います。
日本経済も経済のグローバル化の渦中にありながらサプライチェーンの問題が浮上し、かつ、withコロナや少子高齢化・人生百年時代を迎え、従来システムのままで今後の社会に貢献するシステムたり得るのか?という疑問は避けられないものと思います。
本年も弁政連はこの問題に向き合い、議員の先生方に知的財産システムや弁理士についての理解を深めて頂けますように、地道に活動して参ります。
このような弁政連の活動は、弁理士の将来にも深く関係してきます。よって、特に若手の会員の皆様には関心を持っていただきたいし、ご理解・ご支援を期待しています。
年頭にあたり、会員の皆様のご健勝と、知的財産制度・司法制度が我国のイノベーションの進展と社会の発展の礎となることを祈念いたします。また、国会議員の先生方におかれましては、日本社会の発展に貢献する知的財産制度・司法制度となりますように、ご指導下さいますようお願い申し上げ、ご活躍を祈念しております。
この記事は弁政連フォーラム第355号(令和5年1月15日)に掲載したのものです。
←前のページへ戻る