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2023/11/17

経済施策を一体的に講ずることによる
安全保障の確保の推進に関する法律に基づく特許出願の
非公開に関する内閣府令(案)に関する意見

日本弁理士政治連盟
会長 福田 伸一

要旨

(1)保全指定をしようとする判断がなされた発明を含む特許出願を代理した弁理士が、必要な場合に、様式第一について自身の個別状況に関する部分の書類を作成しても問題ないことをご確認頂きたい。

(2)「特許出願の非公開に関する内閣府・経済産業省令(案)」の様式第4及び第5の書面を特許出願人の依頼により作成した者は、その後当該書面に記載された発明について保全指定をしようとする判断がなされた場合には、「特許出願人以外に発明に係る情報の取扱いを認めた事業者」に該当することをご確認頂きたい。

(3)様式第一の書類の作成や、提出の代理を特許出願人以外の者が行った場合、その者が「特許出願人以外に発明に係る情報の取り扱いを認めた事業者」に該当する可能性があるか、ご教示いただきたい。

(4)様式第一の書類に記載が求められる内容の水準について、会員である弁理士の指導、連絡及び監督を行う日本弁理士会その他の関係者に、ガイドライン等を提供頂きたい。

意見

(1)内閣総理大臣により保全指定をしようとする判断がなされた(経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(以下「法」という。)第六十七条第九項の通知がなされた)発明を含む特許出願(及びそれに先立つ外国出願事前確認の申出)を代理した弁理士(弁理士法人も含む、以下同様)、または当該出願等に係る実体的内容の開示を含む相談を受けた者は、様式第一における「特許出願人以外に発明に係る情報の取り扱いを認めた事業者」に該当すると考えられる。
そうすると、様式第一には当該弁理士の個別状況を記載することになる。
様式第一について、弁理士の個別状況に関する部分の書類を、当該弁理士自身が作成することは問題ないと考えているが、それでよいか、ご確認頂きたい。もし他の法令との関係で何等か問題がある場合には、当該弁理士自身が作成することは問題ないようにする処置を講じて頂きたい。

(2)本件と同時にパブリックコメントに付されている「特許出願の非公開に関する内閣府・経済産業省令(案)」の様式第4及び第5の書面(法第七十九条第一項の規定による確認の求めに係る発明の内容を記載した書面及び必要な図面)を、他人の求めに応じて、同様式3の書面(外国出願事前確認申出書)の提出手続きを行う代理人弁理士以外の弁理士、又は弁理士ではない者が作成し、その後当該発明について日本で特許出願がなされ内閣総理大臣により保全指定をしようとする判断がなされた場合には、その者は府例様式一の「特許出願人以外に発明に係る情報の取扱いを認めた事業者」に該当すると考えるが、それでよいか、ご確認頂きたい。

(3)この様式第一の書類の作成を特許出願人以外の者が行った場合、又は、この様式第一の書類の提出手続を特許出願人以外の者が代理した場合、その特許出願人以外の者が「特許出願人以外に発明に係る情報の取り扱いを認めた事業者」に該当する可能性があるのか、ご教示いただきたい。

(4)法第六十九条各項によれば、様式第一の書類を相当な内容(法第六十七条第十一項)で作成できなければ、保全審査が打ち切られ、特許出願が却下されることとなる。
このため、保全指定の対象となり得る発明について特許出願の依頼を受ける弁理士は、予め、様式第一の書類を相当な内容で作成できるような情報管理等の体制を整えておくことが必要と考えられる。
弁理士は、弁理士法等に規定される秘密保持義務を守るために一定の情報管理体制を作っているが、これが経済安保推進法上求められる水準にあるのかは、実際に求められている水準が不明であるので、判断し難い。
そこで、上記「相当な内容」として求められる水準について、会員である弁理士の指導、連絡及び監督を行う日本弁理士会その他の関係者に、ガイドライン等を提供頂きたい。

以上

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